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2017年 家具業界小売店売り上げランキング
2017年 売上(千円) | ||
1 | ニトリ | 512,958,000 |
2 | 良品計画 | 307,500,000 |
3 | ナフコ | 231,040,000 |
4 | 島忠 | 141,167,000 |
5 | イケアジャパン | 74,059,000 |
6 | 山新 | 54,094,374 |
7 | 東京インテリア | 48,769,000 |
8 | 大塚家具 | 42,816,000 |
9 | フランフラン | 18,000,000 |
10 | アクタス | 16,952,000 |
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家具業界の売り上げランキングの難しいところは、家具のみの売上を抜き出せないことです。
ニトリやイケアであれば、家具の売上比率は40~50%です。ナフコ/島忠/山新はホームセンターの売上比率が高く、山新に至っては家具の売上比率は10%程度とみられています。
無印良品は生活雑貨の比率が高いし、フランフランは雑貨・ホームファッションがメインです。
上記10社の売上は高いものの、純粋に家具の売上で見ると、このランキングは正しくありません。
純粋に家具の売上で見ると以下がトップ5に入るかと予想されます。
- ニトリ
- 良品計画
- ナフコ
- イケアジャパン
- 東京インテリア
- IDC大塚家具
ご存知の方も多いかもしれませんが、2018年ニトリ以外の多くの家具店が苦戦しています。
大手の店としては、数年前に親子喧嘩で有名になったIDC大塚家具ですが、身売りの話を聞くようになりました。
もちろん大手だけでなく、中小規模の小売店は軒並みに売上を落としているようです。小さい小売店で廃業した店もあれば、破産した店もあります。
特に地域に根付いてやってきた小規模小売店は本当に苦戦しています。
ネットショップの台頭で、価格の地域間格差がなくなってきたためです。特に、他店と差別化できていない家具店の存続が難しいのは火を見るより明らかです。
コンビニの台頭で、かつてあった酒屋や駄菓子屋が潰れていったのと同じ構図です。
もしくは、100円ショップとスーパーの関係にも似たものがあります。
ニトリへ行けば、安くてそこそこの品質とデザインの家具が手に入るようになりました。しかも、ニトリのネットショップも充実しているので、ニトリへ行かなくても商品を探せます。ネットでみた気になる家具を実店舗へ行って、実際に見てみることも出来ますね。
しかも、ここに来てニトリのライフスタイル提案型へとさらに進化しています。
ニトリにはもともとルームコーディネートがありましたが、そのルームコーディネートのレベルが上がっており、ルームコーディネートのカタログを見ると、インテリアショップのものと遜色ないクオリティになってきました。
ニトリのコーディネートが年々レベル上がってる。
インテリアショップのカタログに近づいてきてます。 pic.twitter.com/goSZBHGTdD— 椅子ラボ (@chairlabo) 2018年11月22日
実際には、ニトリの家具個体レベルのデザインは、垢抜けないものが多いです。
量産型&品質重視型の商品開発の結果、工場マターデザインになっているからです。とはいえ、年々デザイン性も良くなっています。
家具と比べて、ニトリのホームファッションデザインのレベルは既に高く、そのホームファッションを組み合わせることで、ライフスタイル提案型のルームコーディネートが実現できるようになりました。
ニトリと同じことは、小さな家具店では出来ません。
しかし、ニトリ対抗を掲げる中小規模の家具店は多く、真似をしようとしても二番煎じで終わってしまいます。
顧客からしたら、二番煎じ感というのはよく分かります。ヤマダ電機がニトリの完コピー店舗を再現していますが、売上は芳しくないようです。
コンビニ業界でセブンイレブンが圧倒的な差で利益を出しているように、業界1位と2位の差というのは売上だけでなく、経常利益で現れてきます。
最近のニトリの強さは価格だけではありません。
ライフスタイル提案力、品質とアフターサービス、そして敷居の低い手軽さ。
私達の身近なお店となって、私生活に入り込んできています。
今後の家具業界はどうなってゆくのか?
つまるところは、二極化ではないか、といわれています。
日本では富の偏重がつづき、中間層減少していきます。
中間層が背伸びして高い家具を買うことは期待できないでしょう。いままで背伸びして、ハイプライスを買おうとしていた層は、ミドルプライスへと移っていきます。
そのためニトリやイケアのような、ロープライス~ミドルプライスを扱う身近な店舗への需要がさらにましていきます。
背伸びしても、アクタスやフランフラン、UNICOのような海外製品を商材とする比較的安めのライフスタイルショップにとどまるでしょう。
一方で富裕層は減るものの、資産家はさらに資産を求めるので、付加価値の高いもの、世界で一品ものなどの需要は一定数見込めます。
関家具の「アトリエ木馬」が店舗を延ばしてきた背景はここにあります。
IDC大塚家具と東京インテリアの行方
経営存続を危ぶまれているIDC大塚家具がありますが、一方で似たような大型店舗を持つ東京インテリアが出店を増やしています。
大塚家具の顧客が流れている可能性がありますが、東京オリンピック以降経済が縮小していくとみられる日本で、このような大型店舗の継続は見込めるのでしょうか?
東京インテリアの施策としては、お店の敷居を低く設定し、フロントエンドにはロープライス、バックエンド(上階)へ行くとハイプライスの製品を展示することで、二極化した客層両方を取り込もう、という戦略かもしれません。
しかし、大塚家具がその戦略で失敗しています。
従来の家具店の遺伝子を引き継いだまま健闘しているのは、東京インテリアくらいです。
ニトリが家具業界の中心であることは変わりませんが、その他の家具店のベンチマークは東京インテリアになることでしょう。今後も東京インテリアの動向は見守りたいと思います。