「空気」になったニトリのビジネスモデルを分析 ニトリが家具業界で1強になった理由

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2018年、ニトリは31期連続増収増益を達成しました。
縮小を続ける家具業界では、「ニトリ一人勝ち」の状況はここ数年続いています。
ニトリの成功は、海外から直輸入による「価格戦略」、や売り場を構成する「ルームコーディネート」などの【CONTENTS】によるものが大きいと思われがちです。しかし、現在では多くの家具小売店が海外からの直輸入で商品を仕入れ、売り場のルーム展示にも力を入れています。
ところが、ニトリとその他小売店の差は広がるばかりです。
それはいったい、何故でしょうか。

ニトリは【CONTENTS】の強さもありますが、家具業界では掟破りな【MODEL(仕組み)】を早々に作り上げたのが明暗を生んだと思われます。
そして、その【MODEL】に胡座をかくことなく、【MODEL】は常に見直され、刷新して昇華し続けてきました。

「今まで自分がやってきたことを全て否定してくれ」
2014年5月に株式会社ニトリの代表取締役社長に就任するに当たって、似鳥昭雄会長よりかけられたこの言葉は、ニトリの企業文化そのものです

(引用:株式会社ニトリ 社長メッセージ )

今回は、社長交代後も成長を続けるニトリについて、【7つのマーケティング・クリエーション】を通して分析します。

殺し屋のマーケティング

「お、おねだん以上」で「低価格・高品質・高機能」の揃ったニトリですが、一時期は価格戦略の弊害である「安かろう・悪かろう」の時代がありました。
急速な店舗拡大と海外からの仕入れ増により、「不良品」が増えて、「安かろう・悪かろう」という認識を顧客与える時代があったのです。
この「安かろう・悪かろう」を乗り越えられたのはニトリ独自の【MODEL(仕組み)】があったからでした。

ニトリのMODEL 仕組み「サプライヤーチェーン / 3C+C」

社内では、3C+Cと言っている、変化(Change)、挑戦(Challenge)、競争(Competition)と、お客様、従業員との対話(Communication)を積極的に行い、これからのニトリを創りあげていきたいと考えています。
(引用:株式会社ニトリ 社長メッセージ )

3C+Cで顧客や社員からの意見も吸い上げて、商品や仕組みに反映しています。
トップダウンだけでなく、ボトムアップできる仕組みを確立しました。

ニトリのすごいところは、過去の成功体験にとらわれず、時代の変化に対して順応しながら成長しているところです。

ニトリのEVIDENCE 実数値「31期連続増収増益達成」

2017年 2月20日時の実績 ニトリHDホームページより

・30期連続増収増益達成
・時価総額上場時の78.6倍
・店舗数471店舗(内、台湾27店、米国5店、中国11店)
・社員平均年収 878万円

30年以上、毎年成長を続けている家具店もニトリだけです。2018年の実績はこちらでみれます。
ニトリHD、31期連続増収増益 都心部などへの積極出店や円高による決済レート改善が寄与

このEVIDENCEの何がすごいか、ってやはり年収ですね。
家具業界の平均年収は400万円程度ですが、ニトリの社員の平均年収は倍以上です。
顧客には「どこよりも安く商品を提供」し、社員には「どの会社よりも高い給料を支払う」、絵に描いたような優良企業です。

ちなみに、2016年にニトリHDはイオンの時価総額を抜きました。
似鳥会長が謙遜?「イオンを抜いてびっくり」

ニトリの社会貢活動

高い収益を得たニトリは、社会福祉活動にも力を入れています。

ニトリのSPIRAL 上昇螺旋「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」

「日本人の住まいを、アメリカのように豊かなものにしたい」
からスタートしたニトリの現在のロマンは
「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」
となり、さらなる拡大路線を続けています。

ニトリには30年計画というビジョンがあり、現在は第2期で「2032年に3,000店舗 売上高 3兆円」へ向かいひた走っています。

第1期30年計画 1973-2002

2003年 100店舗 売上高 1,000億円達成
2009年 200店舗 売上高 2,000億円達成
2012年 300店舗 売上高 3,400億円達成

ニトリは1973年から2002年までの第1期30年計画で30年後を見据えて、まず店づくりに10年、人づくりに10年、そして商品づくりに10年をかけました。

(引用:株式会社ニトリ 社長メッセージ )

第2期30年計画 2003-2032

2017年 500店舗 売上高 5,500億円へ
日本の暮らしを変革・グローバルチェーン展開の本格的なスタートへ
2022年 1,000店舗 売上高 1兆円へ
世界でドミナントエイリアを拡大し、暮らしの変革へ
2032年 3,000店舗 売上高 3兆円へ
世界の人々に豊かな暮らしを提案する企業へ

そして今、第2期30年計画の下、店舗数が400を超え、台湾、アメリカ、中国にも出店を果たし、大きな変化の時を迎えています。

(引用:株式会社ニトリ 社長メッセージ )

ニトリのBRAND 信頼「お、ねだん以上 ニトリ♪」定着


ニトリクオリティライン

ニトリはここまで見てきたように、CONTENTS(商品)→ MODEL(仕組み)→EVIDENCE(実数値)をビジョンをもって【SPIRAL(上昇螺旋)】することで、全てのクオリティを高めて来ました。
「お、ねだん以上 ニトリ♪」は日本人誰もが知る家具店となり、顧客からの「信頼」を獲得しました。

日本人は、
「ブランド品=高価なモノ」
と勘違いしている人がいますが、
「ブランド品=信頼の置けるモノ」
です。
信頼のおけるモノが高価になるだけであって、「高価なモノ=ブランド品」ではありません。

とはいえ、銀座の並木通りは高級ブランド品店の並ぶ日本一の通りです。
2015年、ニトリその銀座並木通りにある銀座プランタン内に出店しました。(2016年末、銀座プランタンは閉店しています)
いままで、郊外を中心に出店してきたニトリですが、この銀座プランタン出店を皮切りに、渋谷・新宿・池袋駅前の都心型店舗を出店し、成功。
また、高価格帯のニトリクオリティラインというブランドを立ち上げています。

ニトリのATMOSPHERE 「家具といえばニトリ」

「コンビニと言えばセブンイレブン」
「アパレルと言えばユニクロ」
そして、
「家具と言えばニトリ」

ニトリは誰もが知る家具店となりました。
家具に興味がある人もない人も、
「家具を買うならまずニトリへ」
と考えるようになりました。

家具は安い買い物ではないので、即決するのは難しい製品ですが、多くの人が「家具を買うならまずニトリへ行ってみる」はずです。
これが、家具業界では「ニトリが一人勝ち」と言われる理由です。

ニトリは、既に家具小売業だけではなく、ニトリホールディングスとなり多くの事業を抱えています。
最近では、中古住宅のリフォーム事業を手がけているカチタスと業務提携をはじめました。
さらに、アパレル事業に参入するという噂もありますが、ニトリは衣食住の「住」という分野ではさらに身近になっていくことでしょう。

ニトリホールディングスの関連事業

ブランドは一夜にして成らず。

ここまでみてきたように、ニトリブランドは1973年から45年間かけて確立されたものです。
最近では、ヤマダ電機がニトリをパクった商品や売場づくりをして話題になっています。
互いに「あいさつ」しないヤマダとニトリの会長…業界王同士が「領域侵食」で予測不能

ヤマダ電機の家具店は、上で見たニトリの【CONTENS】や【MODEL】の一部を真似したものです。
が、たったそれだけのことです。
ニトリの本当にすごいところは「CONTENTS→MODEL→EVIDENCE」をロマンとビジョンを持って【SPIRAL】出来ているところです。

ニトリは、「2032年3,000店舗 売上高 3兆円へ」とビジョンを掲げていますが、世界への進出で果たしてビジョンを実現できるのでしょうか。
今後もニトリの動向には目が離せません。

(参考)
殺し屋のマーケティング
落ちこぼれでも成功できる ニトリの経営戦記
株式会社ニトリ 社長メッセージ

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