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有名デザイナーの家具というのは高すぎる、と感じる方も多いでしょう。
家具というのは、ローテク産業です。
もちろん、高い技術を必要とする家具もありますが、ハイテクノロジーというよりも職人の技術力があれば、だいたいの家具はコピーできてしまいます。
門外不出の技術があろうがなかろうが、ディテールが真似できなくても、90%程度はオリジナルを再現できてしまいます。
ですので、意匠権などを取得して真似されないように、メーカーは自社の製品を守ってきました。
とはいえ、いくらデザイナー家具でも、価格が高すぎるのは、逆効果に思えることがあります。
たとえば、20世紀に活躍した世界的な日系人彫刻家イサムノグチのコーヒーテーブル。
彫刻家らしい美しい曲線美の脚と変形ガラス天板のこのテーブル
VITRA社の正規品だと35万円ほどします。
いくら美しくても、このテーブルに35万円を払える層はわずか、限られた人たちだけです。
そこで登場するのが、リプロダクト品とよばれる、いわゆるコピー品。ニセモノです。
このコーヒーテーブルリプロダクト品は、2万円で購入できてしまいます。
なんと、ホンモノと比べて17倍以上の価格差があります。
もちろん、ニセモノを作ること、ニセモノを売ることは、恥ずべき行為です。
高すぎる家具もおかしいし、それをコピーして激安で買えてしまう家具業界もおかしいです。
しかし、美しい家具を多くの人が購入できる価格で提供することは、ある意味消費者にとってはいい機会となります。
コピー品市場としては定番のYチェアですが、コピー品で2~3万円、正規品で10万円程度です。
10万円の椅子であれば。少し背伸びすれば買えますが、イサムノグチのコーヒーテーブル35万円は高すぎるように感じます。
ホンモノの価値観
ニセモノの価値観
17倍以上あるのでしょうか。
せめて、正規品で20万円程度で購入できれば、正規品を多くの人が手に入れることができるようになります。