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2021年5月14日に放送されたNHKドラマ「半径5メートル」第三話。
今回のストーリーは、「テーブルと椅子が主役!!」と言っても過言でないほど、テーブルと椅子を巡ってストーリーが展開されました。
この記事では、第三話の主役となった「ダイニングテーブル」について注目したいと思います。
断捨離に目覚めた母
こちらが主役のダイニングテーブル。
視聴していた筆者は「お!アンティーク調の重厚なテーブルだなぁ!」と思ってみていましたが、まさかこのテーブルがきっかけで主人公の両親の離婚危機!?的な展開になるとは思っていませんでした。
上の画像で電話中のいしのようこさんは、雑誌の編集記者である主人公風未香(芳根京子)のお母さん役です。いしのようこさんといえば、かつてのお笑い番組「志村けんのだいじょうぶだぁ」でよくお母さんや奥さん役で登場していたので、ついついコントが始まる気分でみてしまいます。
風未香が書いたミニマリストの記事を読んだのをきっかけに、家で断捨離をしまくるお母さん。
そして、お母さんはついにはこのダイニングテーブルをリサイクルショップに売ってしまいます。
この高そうなダイニングテーブルは2000円で売れたそうです。残念なことに一緒に写っているチェアについては、ここでお役御免で、この後のストーリーには登場しません。
あくまでもテーブルだけが注目されて話が進み、ダイニングセットという言い方が出て方が出なかったことをみると、チェアはもしかしたら家の他の場所に移動したのかもしれません。
怒る父
家に帰ってきて、テーブルがなくなって怒る父。
それもそのはず、このテーブルはお父さんが一生モノとして使うつもりで、初任給で買ったものだったのです。
30年近く家庭にあり、家族の思い出を刻んできた思い入れのあるテーブルです。
なんの相談もなく、そのテーブルを売ってしまった母に怒るのもわかります。
ちょうどお父さんの若い頃は、日本のライフスタイルが欧米化に変わりつつあった時期です。
もう少し前の世代の方なら、ダイニングテーブルではなく、座卓を買ったのでしょう。
アンティーク調のダイニングテーブルとはいえ、お父さんが買った頃は新しい生活への希望が溢れていたのだと思います。
ダイニングテーブルは核家族化の象徴でもありますね。
サザエさんやちびまる子ちゃんの家庭のように、3世代一緒に大きな座卓を囲むのではなく、父・母・子供の2世代、多くても6人くらいまでで使うのがダイニングテーブルです。
もちろん、ダイニングテーブルがあれば椅子も必要となりますね。
母の本音
しかし、母はどうして勝手に相談もなくテーブルを処分したのでしょうか?
ポイントは、
「テーブルはお父さんが一生モノとして使うつもりで、初任給で買ったもの」
というところでした。
しかし、母は相談してほしかった。一緒にテーブルを買いたかった。
だから、このテーブルは気に入らない。けど、それはずっと夫に言えなかった。
いまでは、家具の購入を決めるのは6〜7割は女性が主導していると言われています。
それは、平均的に女性の方が家にいる時間が長い、ということがあるようです。
この風未香の母は専業主婦のようですから、家にいてこのテーブルを見る度に嫌な気持ちがこみ上げてきたのでしょう。
いかにも重そうなテーブルですから、掃除をするときに動かそうとして、重い思いをする度に
「なんでこんなテーブル・・・」
と感じたのが想像できます。
父が勝手にテーブルを買った復讐として、母は勝手にテーブルを売ったのでした。
夫婦の雰囲気は最悪です。まさかの離婚危機・・・?
家族の思い出が刻まれたテーブル
お父さんと風未香は、お母さんが売ってしまったテーブルを探しまくります。
そしてとうとう、風未香はネットで販売されているテーブルをを見つけ、自分の家に買い取りました。
家に届いたテーブルの裏を除くと落書きの跡があります。
これは、風未香が子供の頃に描いた絵でした。
風未香は自分の家に、父と母を呼びました。
そして落書きを見せると、家族のいろんな思い出が蘇ってきました。
家族の中心にはいつもこのテーブルがあったのです。
テーブルは集の象徴
チェアが個別に使うものなら、テーブルはみんなで共有するものです。
テーブルは集の象徴なのです。人々の和の中心にあるのがテーブルです。
こう考えるとテーブルは、家庭の中心となる重要な家具というのが再認識できます。
現代の椅子座のライフスタイルであれば、ダイニングテーブルに合わせてチェアが必要となります。
そこで、いまの家具屋さんではテーブルとチェアを合わせてダイニングセットとして売られていることがほとんどです。
でも、このお父さんのようにテーブルにこだわって、チェアを別に買うことも良いと思います。
ただ忘れていけないのは、テーブルは集の象徴で、家族の和の中心となる家具なのです。
テーブルは自分だけのこだわりで買わないで、一緒に共有するパートナーの意見にも耳を傾けましょう。
もちろん、テーブルだけでなく家具はもちろん、家族で共有するもの(住宅・車はもちろん、食器や家庭のインテリア)についての購入は1人で勝手に決めるとトラブルになりがちです。共有アイテムの購入にあたっては、パートナーや家族に相談を忘れずに、というのがこのドラマの教訓だったのでしょうか。
さてさて、「半径5メートル」第三話は、椅子にも注目する場面がありました。
それは次回の記事で書きます。