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世界でいちばん売れている椅子はなんでしょうか。
実はいろんな説があり、どの説がただしいのか立証するのは難しいです。
ここでは、多々あるいちばん売れている椅子説を紹介していきます。
ハンス・ウェグナーの2大チェア
ハンス・ウェグナーの椅子で最も有名なのがYチェアとザ・チェア
Yチェアはカール・ハンセン&サンの正規品が10万円程度なのに対し、ザ・チェアはPPモブラー社の正規品が80万円近くします。正規品としてはYチェア(CH24)の方が手に入れやすく、世界中に販売されている正規品の数はYチェアが多いでしょう。
ただし、この2つの椅子はコピー品・模造品がそれ以上に出回っているのです。リプロダクト品やジェネリック品と呼ばれたりします。このコピー品を含めると数えようがありません。
また、知名度という意味でもこのウェグナー2大チェアは知る人が多く、椅子に詳しくない人でもどこかで見かけた覚えたあるはずです。
Yチェア CH24
ザ・チェア PP503
アルネ・ヤコブセンのセブンチェア
世界で一番売れているスタッキングチェアとして知られているのが、建築家アルネ・ヤコブセンのセブンチェアです。
誕生は1955年。60年以上が経過し、販売累計台数は700万を越えていると言われています。
成形合板とスチール脚というシンプルな組み合わせから大量生産が可能になりました。
セブンチェアの正規品はフリッツ・ハンセン社が製造していましたが、いまはリプロダクト品が1万円程度で世に出回っています。
座面部分の成形合板も鉄パイプのスチール脚も型さえあれば、造れてしまうためセブンチェアは大量生産向けのチェアです。ウェグナーのチェアと違い設備さえあれば生産できてしまうため、おそらくいろんな国でコピーされて製造されているのでしょう。需要はともかく製造しやすさの点からみればセブンチェアが世界でいちばん製造されている可能性はあります。コピー品を含めると販売数は未知数です。
セブンチェアのリプロダクト品
ミヒャエル・トーネットのチェア
曲げ木の技術を活かしたカフェチェアが有名なのが、ミヒャエル・トーネットのチェア。
トーネットは、木を削り出すのではなく、木を曲げることで軽くて強度があり、そして大量生産可能な椅子を開発することに成功しました。
トーネットのチェアは、カフェチェアとして世界中に普及し今でも正規品はチェコのTON社で製造されています。
カフェチェアとしてあまりにも有名なこのトーネット・チェアは、現代では樹脂製のコピー品が大量生産されています。
ここまで読んでいただいておわかりになるように、有名チェアのコピー品は多発的に発生しもはや制御のしようがない状況です。
イームズのシェルチェア
駅にあるこのFRPのベンチは誰もが一度は座ったことがあるはずです。
これは、有名なイームズシェルチェアの座面部分を並べてベンチにしたものです。
イームズのシェルチェアの特徴はFRPを椅子の材料として成功させたことです。
しかし、この美しいシルエットのチェアは、FRPだけでなく合板仕様も開発され、突板貼りや生地張りとさまざなバリエーションが製造されています。
もちろん、コピー品やリプロダクト品も出回っていて、正規品が10万円程度するのに対し、コピー品は1万円以下で購入することができます。
どこにでもマッチするデザイン性とコンパクトな座り心地、1万円以下ならついつい買ってしまいそうです。
イームズ ウッドシェルチェア ハーマンミラー社の正規品
まとめ
今回紹介したどの椅子も有名なので一度はみたことあるはずです。
しかし、それが正規品なのかコピー品なのか、見分けがつく方はなかなかいないでしょう。
有名な椅子のコピー品は中国だけでなく、東南アジアや中東、南米など各国で製造されています。
コピー品を含めて数えようものなら、どの椅子が世界でいちばん売れているか、というのはわかりません。
しかし、これだけコピー品が出回ってしまうのはそれなりに理由があります。
ちなみに、世界でいちばん売れている子供向けがストッケのトリップトラップと言われています。これも似たような椅子が多く出回っていますが、この椅子は正規品でも3万円なので小さいお子様がいる方にはオススメです。