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ビーチ材とオーク材は、一般的な家具によく使われる木材です。
ただし、ビーチ材の家具とオーク材の家具は価格が違うんです。
それはなぜでしょうか。
今回は、その理由をわかりやすく説明していきます。
オーク材はホワイトオークとレッドオークの2種類が家具に使用されていますが、この記事では2つの樹種をまとめてオーク材という表現をつかいます。
ビーチ材とオーク材の共通点
ビーチは日本語ではブナ、オークは日本語ではナラと呼ばれ、どちらもブナ科に属しており日本でも馴染みのある木材です。
どちらも硬く強度が必要な椅子に適した材料といえます。
ビーチ材とオーク材の違い
見た目の大きな違いは、色味と木目です。
ビーチ材は赤みがかったクリーム色で木目は比較的おとなしい、オーク材の色味は黄土色〜茶色系で木目が目立ちます。
家具にビーチ材を使用すると柔らかい雰囲気に仕上がりますが木らしさあまり感じません。また木の色がピンク色に見える傾向があり、気になる方もいるようです。
一方オーク材を使用した家具は、木らしさを感じる茶系色で木目も現れ方を好む人が多いようです。
実際に椅子に椅子に材料を使った際の特徴をみていきます。
ビーチ材の椅子
ビーチ材を使った椅子で有名なのが、トーネットの椅子です。
ミヒャエル・トーネットは曲げ木の技術を研究して、ビーチ材を曲げ加工することに成功しました。
かつて椅子のR加工は「木材を削りだす」ことしかできませんでしたが、木を曲げることによって安価にR加工した椅子を大量生産するに成功しました。
トーネットの曲げ木の椅子は、軽くて安く・さらに強度があるため、カフェなどに使用され世界中に普及しました。
トーネットの椅子現在も現役で活躍しています。世界で一番売れている椅子とも言われます。
(世界一売れている椅子としては、セブンチェア、Yチェア、イームズチェアなど諸説あり)
オーク材でも曲げ木加工はできますが、さすがにここまで曲げることは容易ではありません。
オーク材は家具用木材の中でも非常に硬い材料のため、小さいR加工をするには非常に高い技術が必要です。熟練の職人が曲げ加工をしないと途中折れてしまうでしょう。
硬くてしなやかなビーチ材だからこそこの曲げ加工に耐えうるのです。
ビーチ材の曲げ木は、ニトリの自社工場で生産されているNコレクションのシリーズにも採用されています。
オーク材の椅子
ビーチ材に比べてオーク材の方が人気が高いのは、木目と木らしい色目です。
この木肌を活かすため、ほとんど着色せずにナチュラルに仕上げられることが多いです。
飛騨産業の製品、節を活かした「森のことばシリーズ」はオーク(ナラ材)の素材感を引き出した人気商品です。