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日本で北欧家具が好まれる2つの理由 スカンジナビアンカラー

日本では、北欧家具が人気です。
ネットで家具を見てると、猫も杓子もみんな「北欧家具」とか書いておけば良いような感じになっています。
実際に、「北欧家具か?」と思うようなデザインの家具まで北欧家具と書かれて売られています。

家具の先端デザインと言えばイタリアです。
毎年イタリアのミラノで行われる展示会ミラノ・サローネは、世界で一番注目される家具の展示会で、日本の家具メーカーをはじめ世界中から家具メーカーが参加します。
日本でも高級家具といえば、アルフレックスやカッシーナなどイタリアブランドになります。
しかし、一般的な日本人が好むのはイタリアのモダンデザインではなくて、北欧(スカンジナビアン)家具です。

それは、何故でしょうか。

日本人が北欧家具を好む理由

1. 木のぬくもりが感じられる優しいデザイン

イタリアの家具は、鉄やガラスなどもつかったシャープでモダンなデザインが多いですが、北欧家具は丸みがあり優しいデザインです。
北欧家具では無機質な素材はあまり使わずに、木を使用した家具が多く、人間の手で作り上げたような3次元な曲線のため、木をとおして人のぬくもりが感じられます。
そして、日本人の住む木造住宅に調和する家具が北欧家具です。

2. 北欧に近い環境のある日本の都市

現在の東京は、1970~80年代ころのような光化学スモッグはありませんが、その頃からの色彩嗜好が影響しています。光化学スモッグが発生していると、日照率が低下して霧に包まれたような環境が続き、パレット効果の影響で北欧系の色彩嗜好にかわっていきます。いまでも東京は、灰色の建物が立ち並び、無彩色のコンクリートに覆われた街です。色彩の少ない環境は北欧系どんよりした街とおなじ環境です。

こちらは、東京 日照率(%)です。100年前は平均50%前後の日照率でしたが、戦後は40〜48%程度になっています。

▶️東京の日照率を見る

このように東京での暮らしでは、北欧の色彩嗜好と近くなってくるのです。日照率が少なく、寒い北欧の国では、室内を快適にするために、インテリアにこだわり、室内家具屋小物が発展してきました。北欧系の人々は太陽光線の乏しさから、目も弱くなり、色彩の好みはパステルカラー(淡い色彩)になります。北欧系民族は性格的にも内向的で、外向的なラテン系民族と異なります。

北欧の暮らしと民族性は、現代の日本と非常に似かよっているため、北欧で生まれた家具が日本の暮らしと適応性が高いと考えられます。

※パレット効果とは、人々は生まれた地域の気候、風土、緯度による地域特性に照応するようになっていること。例えば、太陽光線が強くすべてが明るく鮮やかに見える環境で育つと、そのような環境が居心地がいいこと。

About

筆者プロフィール:Koike Yusuke(デザイナー&マーケター)
木造建築士という建築知識をバックグラウンドに、ベトナム南部で家具のマーケティング・デザイン・商品開発をしています。ベトナム史が好きなので、ベトナム建築を古代から現代まで調べてます。建築や家具、デザイン、マーケティングはもちろん、ベトナム史やビジネスについて当ブログにまとめています。また、これらのテーマについて前向きに語り合える方募集しています。Twitterやインスタでお気軽にDMください。
資格:木造建築士 / カラーコーディネーター1級(商品色彩)
Twitter @yusukekoike21
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メール:amplestyle108★gmail.com(★を@に変換)

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