井上昇氏の「椅子塾」について

僕が椅子づくりの仕事についたのは7年前でした。

もともとは、建築・インテリアの世界にいたのですが、海外で仕事をしたくて、海外での仕事で見つけたのが椅子づくりでした。

僕の仕事と商品化されたデザインについて

 

当時、インテリアの図面はかけたのですが、椅子の図面はかけませんでした。

そこではじめて購入した本が井上昇氏の「椅子ー人間工学・製図・意匠登録までー」でした。

椅子の基礎知識を得るには十分網羅されている本です。

「人間工学」の章は、人間工学を椅子のデザインに落とし込んだ実録として、非常に参考になります。

特にこの本で貴重な資料が「椅子のプロトタイプ」の図面です。

使用用途によって「椅子のプロトタイプ」を6型に分類して、図面に記しています。

人間の姿勢によって、圧がかかる部分を分類して、その姿勢に合わせた最適な支持位置を角度と寸法を示しています。

 

デザインによって、その「プロトタイプ」通りの位置で体を支えるのは難しいですが、これを参考にすることで、一発目からハズレのない位置に背もたれを持ってくることが出来ます。

 

詳しくは、著書をお読みいただければと思います。(2800円+税・・・高いかな)

椅子改訂版 [ 井上昇 ]

 

そんな著書を書かれた井上昇氏には非常に興味があります。

彼は毎年「椅子塾」というコースを開催されています。

僕が、日本に住んでいたら是非とも受けたいコースです。

 

それで、井上昇氏のサイトをみていたら、夏季集中コースというのがありました。

8月の10日間集中コース。

これなら、夏休みを長めにとれば参加できそうです。

「椅子塾」の詳細については、下記サイトをご覧下さい。

ISUJUKU – 椅子塾

 

ちなみに、井上昇氏のコースの特徴は、徹底的にアナログなところです。

確かにCADを使えば簡単に3D図面をおこすことが出来ます。

建築やインテリアならそれでもいいかもしれません。

 

しかし、体に密接に触れる「椅子」については1分の1サイズでディテールをおこして、どのように人間の姿勢とその椅子が関わるかの検証が必要となります。

 

それをしないと、試作を起こしてから、修正を加えていくという、現場に負担のかかる作業となってしまいます。

もちろん、試作後の微修正というのは必ず必要となります。

しかし、その前の図面の段階で検証を深めることで、現場での作業を少なくすることはコストダウンにもなります。

 

僕は、今後も椅子とずっと関わっていくつもりです。

現場で得た知識もそれなりにあると思っていますが、やはり椅子の第一人者となられている井上昇氏とつながりたいのが本音です。

もちろん、本を読みだけでは伝わってこないノウハウや椅子づくりの考え方も学べると思います。

僕も最終的には、彼と同じようなライフワークを望んでいます。

 

自分で選んだ海外生活ですが、日本の技術の高さを知れば知るほど、日本でもう一度学びたいという矛盾を抱えている日々です。

なんとかして、一度「椅子塾」に潜り込みたいと考えています。

 

井上昇氏の椅子「Mチェア」

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